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WordPressでウェブ小説を作る前に考えよう メリット&デメリット

先に結論を書いておきますね。

WordPressで小説サイトを作って成功するパターンは二つしかないです。

1)既に知名度があって、ファンとの交流や販促が主目的。
  小説コンテンツはあくまでサンプル(プロモーション)として公開
  
2)自身のコンテンツ(小説)が検索エンジンに強い

3)誰もが知っているキャラクターの二次創作である

あなたが無名の書き手なら、検索エンジン経由でビジターが集まらないことには話になりません。

1000ページ書こうが、2000ページ書こうが、GoogleやBingといった検索エンジンで上位表示されなければ、存在しないも同じことです。

それが小説投稿サイトと大きく異なる点です。

たとえるなら、小説投稿サイトはコミケのブースに出品するようなもの。
会場を訪れる人は、みな小説が目当てですから、比較的簡単に読者と繋がることができます。

その点、ウェブサイトは大勢の行き交う駅前でチラシを配るようなもの。
道行く人すべて、小説に興味があるとは限りません。
たまたまチラシを手に取っても、興味のない内容なら、ポイと捨てて終わりです。そして二度と手に取ることはないでしょう。

そもそも検索エンジンは「知りたいことを探す」ツールであって、『上質なサイト=有益な情報』であることが大前提です。

文章の上手い・下手は関係ありません。

中学生レベルの作文でも「人気女優の暴露話」「秒速で1億稼ぐ方法」「必ず痩せるダイエット」みたいな、大勢が知りたがっているネタなら人を集めることができます。

たとえ美しい文章でも、「蛙が池に飛び込む水音が聞こえました」とか「名も無い猫がにゃーにゃー鳴いていました」とか、そんなキーワードで検索する人は皆無です。

芥川龍之介レベルの名文だろうが、『風と共に去りぬ』をしのぐ傑作だろうが、検索されない文章(言葉)は、ネット上では存在しないも同じことなのです。

すでにSNSやコミケなどで名の知れた人なら別ですが、あなたが全くの無名なら、WordPressで小説サイトを作るより、小説投稿サイトで頑張った方が利口です。

そこでもアクセスが取れないなら、WordPressでやっても同じでしょう。

あるいは、WordPressの方がもっと厳しいかもしれません。

ネットというのは、ベテランのアフィリエイターやプロが手掛ける企業のオフィシャルサイトでさえ、「アクセスが集まらない」「Googleの仕様が変わってランキングが落ちた」と翻弄される世界です。

そんな中で、魔法や学校生活や創作上の女神の話を書いても、そもそも検索すらされません。

下記にも書いてますが、WordPressで小説サイトを運営するなら、専門性の高いものほど有利です。

歴史、経済、神話、AI、グルメ、バイオテクノロジーなど、ある分野に特化した小説なら、それに興味のあるビジターを引き寄せることができるからです。

たとえば、明治維新をテーマにした歴史小説なら、サイドコンテンツとして、著名な人物やゆかりの町、当時の文化風俗などを盛り込めば、「坂本龍馬の出生地」「岩倉使節団とは」といったキーワードで検索する人を引き付けることができます。その流れで、あなたの小説に目を通してくれる人もあるかもしれません。

ネットは、誰が好きだの、魔法のツールがどうだの、誰も興味のないことをダラダラ書き綴っても、誰も見向きもしない世界です。オーディンやゼウスのように、誰もが知っているキャラクターならともかく、自分で創作した「ナンチャラ女神」のことを書いても、誰も知らないし、知らないものは検索されません。

検索エンジンは、文章の良し悪しより、キーワードに反応するので、富士山がいかに素晴らしいかという名文より、「富士山の行き方」「おすすめのホテル」の方が、ずっと評価が高いのです。

それなら、小説投稿サイトで頑張った方が、はるかに読んでもらえる確率が高いです。

小説投稿サイトの方が下で、WordPressサイトの方が上ということは絶対にないです。

そのあたり、じっくり考えて、自分に合ったサービスで頑張りましょう。

無理にWordPressで始めて、アクセスが集まらなかったら、そこで意欲が削がれて、執筆どころではなくなりますのでね。

あとは内容が一部重複します。興味のある方はどうぞ。

追記 2018年11月28日


上記のことを踏まえた上で、WordPressでやりたい方の為にメリットとデメリットを列挙します。

WordPressを使い始めるには、データベース(MySQL)の使えるレンタルサーバーが必須ですが、WordPress公式のブログサービス『WordPress.com』なら全ての機能が無料で使えるので、まずはそこで手慣らしすることをおすすめします。

WordPressのメリットとデメリット

SEO(検索エンジン)に対して

WordPressは、あまたのブログツールに比べ、内部構造が検索エンジンに強いと言われています。

「小説家になろう」や「カクヨム」といった小説投稿サイトのコンテンツも、検索結果に反映されますが、どうしても「サイト全体の一部」とみなされますし、テーマや文章が他の作品とダブれば、サイト内(一つのドメイン内)で競合して、上位表示が難しくなります。

一般に、Googleの検索結果に表示されるのは、『一つのドメインにつき、2つのURL(記事)』とされています。(この数値はサイトの質や検索エンジンの仕様により変動します)

たとえば、このサイトには、『一太郎』に関する記事が複数存在しますが、訪問者が「一太郎 書式の設定」で検索しても、検索結果に反映されるのは、二つの記事だけです。たとえ一太郎の書式について紹介した記事が20本あっても、検索結果に出てくるのは、二つだけなんですね。

「小説家になろう」の場合、ドメインは https://syosetu.com/ で、作品のURLは、 https://ncode.syosetu.com/n0955●●/ とかhttps://ncode.syosetu.com/n0074●●/ のように、 ncode.syosetu.com というドメインを共有することになります。

10人の作家が、500本の作品を投稿しても、検索エンジンは、 ncode.syosetu.com という一つの屋号とみなします。

AさんとBさんとCさんが『オーディン』をテーマにした小説を書き、それぞれにストーリーも文体も違っても、 ncode.syosetu.com という屋号の中では、検索結果に表示されるのは二つだけです。たとえば、ユーザーが『オーディン 武器』で検索した時、たとえ、そのキーワードを含む作品が50本あっても、検索結果に出てくるのは2つのURLだけ、ということです。

しかしながら、「小説家になろう」には、小説を読みたい人がアクセスしますから、その中で目を引くことは十分に可能です。

しかし、ネットという大海から見れば、一つの屋号の下で、似たような作品がひしめきあっている状態です。

「小説家になろう」の常連さんは取り込めても、その外側にいるその他大勢の目には届きにくいです。

じゃあ、WordPressなら、「小説家になろう」の常連さん以外に幅広くアピールできるのか、といえば、それもまたハードルの高い話で、自分しか知らない異次元世界やオリジナルの魔法ツールについて、延々と書き連ねても、アクセスは集まりません。先にも書いたように、ネットにおいては、検索されないコンテンツは存在しないも同じことだからです。

それなら、DEATH NOTEやキャプテン翼みたいに、誰もが知っているキャラクターで二次創作をやった方が、はるかにアクセスはとりやすいです。実際、「オスカル アンドレ 結婚のエピソード」みたいなキーワードで検索する人はいっぱいいるからです。

そのあたり、自分はどういうタイプか、何を優先するか、見極めた上で取り組むことをおすすめします。

ちなみに、アクセスを稼ぐ目的で、日記ブログを必死に頑張っても、多くの場合、日記だけで満足して離脱するので、目的達成に結びつけるのはプロでも難しいです。

実際、私も、よく閲覧するプロの作家さんのサイトが幾つかありますが、日記やTwitterだけで満足して、本を購入するところまではいきません。どうせ、ブログやTwitterの総集編みたいな内容でしょ、と思っちゃうし。

それなら小説投稿サイトで、小説が読みたい訪問者を相手に、せっせと自作をアピールするのが賢明かな、と思います。

WordPressは拡張性が高い

WordPressの場合、テキストだけでなく、スライドショーや動画、ショッピング機能やPDFの埋め込みなど、いろんな機能を取り入れることができます。

その他のブログサービスでも同様のことは可能ですが、WordPressの場合、プロ仕様のプラグインが続々と登場していますので、素人でも、ビジュアルの美しいブログや商用サイトを作ることが十分に可能です。

具体例を挙げれば、

1) コンテンツのダウンロード販売が可能。アクセス状況なども詳しく解析できる。

2) ニュースレターの配信やSNSへの誘導など、訪問者にアプローチするプラグインが豊富。

3) 記事の並び順を章立てや人気ランキングなどで自由にカスタマイズできる。既存のブログサービスだと、日付順で固定されているのが大半です。

4) 投稿の編集やカスタマイズが簡単。既存のブログサービスだと、単語の全置換やタグの書き換えなどが面倒ですが、WordPressなら、データベース操作で、一括編集が可能です。繰り返し使用する文言も、ショートコードを使えば、何百もの投稿があっても、一瞬で書き換えができます。

5) プロモーション用のエリアを自由に設置できる。既存のブログサービスだと、サイトデザインもほぼ固定されますが、WordPressは、ギャラリー風、マガジン風、ワンページなど、いろんなスタイルにアレンジできます。

6) パスワード付き投稿、会員限定コンテンツ、ウォーターマークの自動挿入、画像URLの転送など、コンテンツ・プロテクトの機能が高い。

7) 英語に強くなる。WordPressに習熟するなら、英語のドキュメントは不可欠です。イヤイヤでも目を通すうち、確実に英語力はアップします。現代に不可欠な英語とITのスキルを一石二鳥で身に付けることができます。

下記は小説サイトの構築に便利なプラグインの一例です。

Archive Posts Sort Customize
日時、記事ID、作成者、タイトルなどで、記事の並び順を細かく設定できます。(ホーム、タグ、カテゴリーなど)

Category Order and Taxonomy Terms Order
カテゴリーやタグの並び順をドラッグ&ドロップで自在にカスタマイズ可能。

Post Types Order
Intuitive Custom Post Order
どちらも記事やタグの並び順を細かくカスタマイズできる有名なプラグインです。

Google Drive Embedder 
Google Driveを使ったPDFやオフィスドキュメント、画像、ビデオなどの埋め込みが可能。自身の端末で同期管理できるので、ファイル編集も楽々。
ダウンロード、印刷の禁止など、機能制限もできます。

WP Content Copy Protection & No Right Click
右クリック禁止やショートカットーキーの無効化、警告メッセージなど、細かにカスタマイズできるプラグイン。
有料版では、java script、htacess などを使った、さらに細かなプロテクションが可能。

MATOMO アクセス解析
Google Analyticsより詳細なビジターログの取得が可能。Googleとデータ共有しないので、情報保護の点でも優れています。
詳しくは、小説サイトにGoogle AnalyticsよりMatomoアクセス解析をおすすめする理由

Custom Post Type UI
カスタム投稿機能を使えば、「SF」「漫画レビュー」「雑記」など、ジャンルごとに投稿グループを作成することができます。管理も非常に楽です。

Shortcodes Ultimate
素人には設置が難しいプルダウン、マーカー、ボックス、ボタン、ギャラリー、投稿タイトル出力など、様々なスタイルをワンクリックで挿入できます。

Ad Inserter – AdSense plugin, WP Ads, Header Code
元々は広告コード専用のプラグインですが、定型句、JavaScriptなどの挿入にも使えます。希望の位置に、特定の記事やカテゴリーだけ、表示・非表示と、細かくカスタマイズできるので、非常に重宝します。

Image Watermark
一番ムカつく画像のパクリもウォーターマークを自動挿入すれば高確率で防げます。
同様のものに Easy Watermarkがあります。

Display Posts Shortcode
記事タイトルやコンテンツの出力を容易にするプラグイン。小説サイトの場合、導線が非常に重要なので、前後のエピソードやカテゴリー内のタイトルを一覧表示するのに便利です。Twitter風の短文投稿を1ページにまとめて表示もできます。

自由に広告挿入できる

小説投稿サイトや既存のブログサービスの場合、広告の設置が制限されている場合があります。

その点、独自ドメインで運営するWordPressには制限がありません。

少しでも収益があった方がモチベーションアップに繋がります。

ドメインが育てば、後はラクラク

独自ドメインの場合、ゼロからサイトを育てるのは非常に根気が要ります。コンテンツの質によっては、「アクセスが増えた」と実感するまで、一年、二年、あるいはそれ以上かかるかもしれません。

しかし、ひとたびドメインが育って、サイト運営が軌道にのれば、何を書いても早々と検索結果に反映されるバラ色の時代がやって来ます。

その頃には、SNSやブックマークでシェアされる回数も増え、固定ファンも付いているでしょう。

人によっては、広告収入が安定して、ちょっとした副業レベルになっていると思います。

小説投稿サイトの人気者が、必ずしもプロデビュー(マネタイズ)できるとは限らないことを思えば、数年がかりで、自サイトを「第二の資産」と呼べるほど育てる方が実益は大きいかもしれません。なぜなら、ウェブ界でそれほどの存在感(上位表示させるだけの実力)があれば、メディアから声をかけられたり、出版社にアプローチしたり、憧れの人と繋がったり、可能性も広がるからです。

王道を行くなら、新人賞に応募するのが一番確実ですが、今は脇道も無数に広がっていますので、いろいろ模索しながら、自分に合ったやり方を見つけましょう。

初心者・中級者向けレンタルサーバー

初心者なら月額250円~のスターサーバーで十分。テキスト系サイトなら、一日数万PVでも落ちません。
私も4年ぐらい使っていました。(ミニバード、ファイアバードの時代) ネットオウル・ポイントもなかなか便利です。



中級者に昇進したら、エックスサーバーに乗り換えましょう。ここは本当にレスポンスが早いし、次々に新しい機能を導入して、サービス精神も旺盛。
カスタマーサポートも親切ですよ。バックアップ機能やキャッシュ機能なども充実しています。



WordPressに特化した高速サーバー。私も一年使いましたが、総合的にはエックスサーバーの方が使いやすいです。



独自ドメインの取得はネットオウルの「スタードメイン」がおすすめ。
上記のスターサーバーと併せて使えば、ネットオウル・ポイントでお得です。
私も長年使っています。



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