2月1日公開のベータ版, version 2.9.0.3より、日本語メニューが実装されています。
下記リンクから無料でダウンロードできます(ベータ版は2018年12月15日まで有効)
http://www.literatureandlatte.com/forum/viewtopic.php?t=40621
詳しくは『Scrivener 3 日本語化メニューのガイド』をご参照下さい。
記:2018/10/03
新バージョンの日本語メニューはこんな感じです。
メニューが見にくい場合は、ファイル > Scrivenerのオプション > 表示 >フォント にて調整して下さい
2014年のマニュアル(Windows版)
Scrivenerは、海外で非常に評価の高い、高機能アウトラインプロセッサ&エディタ&コルクボードです。
下図のように、通常、いくつものアプリで使い分ける機能を一つに集約し、まさに「文章を書くため」だけにプログラムされた「物書き御用達ソフトウェア」です。
- 階層(アウトライン)を利用した文章の構築
- コルクボードによる文章構成の視覚化
- 文字装飾、リンク挿入などが可能なリッチテキストエディタ
- 章や節ごとの脚注、コメント、参照、キーワード
- 手軽にメモが取れるスクラッチパッド
- 電子書籍(Kindle、PDFなど)の作成
- レイアウト、アイコン、色などのカスタマイズ
今のところ、日本語版に対応していませんが、パッチを当てることでメニューの日本語化が可能です。
マニュアルはこちら→『『Scrivener』日本語化ファイルと使い方』
Intro
こんな方におすすめ
Scrivenerは次のような用途に向いています。
- ブログ、同人誌、論文などで、階層の複雑な長文を書いている
- ブロックごとに資料、メモ、参照URL、スクリーンショットなどを効率よく管理したい
- 章や節の入れ替え、構成の変更などブロック単位で編集することが多い
- 文章全体を視覚的に確認したい
- 脚注や注釈を見栄えよく配置したい
- 章立て文章の構築を勉強したい
Scrivenerの弱点
最近、中国語やモンゴル語など、「マルチバイト」「縦書き」ユーザーも増えているため、エディタを強化する……という話だったのですが、まだまだハードルは高そうです。
日本語の場合、「完成稿」の作成には向きません。
電子書籍のパブリッシングも完璧とは言いがたいです。
Sceivenerが得意とするのは、「アイデアや資料の整理」「文章構成の見直し」です。
文章の種類によりますが、プロットの作成から下書き(第一稿)まで、が限界でしょうか。
- 現時点で、日本語サポートがない。(操作を覚えてしまえば、簡単ですが)
- アルファベット文化のプロダクトなので、エディタの日本語IMEが弱い(縦書き不可)
- 日本語の単語検索や再変換といった小技が効かない
縦書きか、横書きかにもよりますが、推敲するならテキストエディタ『秀丸』。
完成稿→電子書籍を作成するなら、ジャストシステムの『一太郎』をおすすめします。
一太郎もエディタ機能がイマイチですが縦書きに関してはWORDよりマシです
インストールと新規作成
無料体験版のインストール
公式サイト『Literature&Latte』にアクセスして、お使いのOSに合った Trial を Download します。
約70MBあるので、高速回線ででどうぞ。
30日間、無料で全機能が使えます。
30日を過ぎて購入しない場合は、通常の手順でアンインストールすればOKです。
http://www.literatureandlatte.com/
ダウンロードしたScrivener-installer.exeをクリックして、適当なフォルダにインストールします。
英語ですが、「Next」で進みましょう。
Scrivenerのインストーラーには『Yahooツールバー』(のようなもの)は入ってませんからご安心を!
新規プロジェクトの作成
インストールが完了して、Scrivenerの実行ファイルをクリックしたら、まず最初に「新規プロジェクト」の作成ダイアログが出ます。
特に英語のサンプルは必要ないという方は、Blankから初めて下さい。
Save as ・・「名前を付けて保存」
Where・・「保存場所」
Createで作成します。
日本語のサンプルを試したい方はこちらをどうぞ。
初期状態では、メニューは英語のままですが、どんな風に応用できるか、参考になると思います。
「OscarWilde.scriv」のフォルダごと、もしくは、ZIPのどちらでもOK。
心配な方はフォルダの中身を確認してからどうぞ。
右クリックするとダイアログが出ます。
<使い方>
Scrivenerの体験版をダウンロードした後、[New Project] → [Open Existing Project.. ]からOscarWirlde.scrvのフォルダを開きます。
project.scrvxが実行ファイルです。
編集を始める
基本のレイアウト
Scrivenerでは、最大3画面、縦分割、横分割が可能です。
エディタ(1画面)
基本のシンプルなエディタ画面。
コルクボード(1画面)
アウトライン(1画面)
画面を縦分割する
画面を分割する場合は、右端の「Vertical Split」か「Holizontal Split」のアイコンをクリックします。
1画面に戻す時は、「No Split」アイコンが自動的に表示されます。
コルクボードとエディタ
アウトラインとコルクボード
情報ウィンドウ + 3画面
各パートごとの情報ウィンドウを追加して、最大3画面まで使えます。
レイアウトの保存
お気に入りのレイアウトを保存することができます。
Window → Layouts → Layouts Managerで保存します。
編集画面を固定Lockする
それぞれの画面(パネル)を固定して、じっくり編集したい場合は、
View → Layout → Lock in Place
タイトルの背景が赤色になれば固定されています。うっかり「前のドキュメントに進む」をクリックしたり、操作を間違えても画面が移動しません。
エディタの設定
一番大事なエディタの設定。フォントの種類や大きさ、マージンなどを設定します。
Tool → Option → Editor と開き、サンプル文字が青い状態で「A」をクリックして、文字設定のダイアログを出します。
私も最初、これに気付かず四苦八苦してました(^^;
Rulerでインデント、Editor Margins で画面端とテキストの間隔を調整。
Default Zoom でエディタに表示されるフォントの大きさを指定
(ダイアログで設定した基準のフォントサイズとは別です)
コルクボードの設定
Tool → Option → Corkboard で、カードの操作とデザインを設定。
Appearance で、コルクボードやバインダーなどの色合いとフォントを設定。
コルクボードの配置、カードの大きさは右下方のアイコンをクリックして、ダイアログで設定。
ラベルとステータスを付ける
各パートについて、「アイデア」「下書き」「完成稿」などラベルを付けておくと便利です。
ラベルを付けたいエディタもしくはコルクボードの画面で右クリックし、LabelとStatusを設定します。
デフォルトの名称や色を変えたい場合は、文字の上でダブルクリックすると編集可能になります。
テーブルの挿入
テーブルを挿入したい場合は、Format → Table を選択。
Table Propertiesで列や行の下図、罫線の太さ、色などを調整します。
イメージの挿入
画像を挿入したい場所で右クリックし、Insert Image で画像を選びます。
画像の大きさを編集したい時は、画像の上で右クリックし、サイズを調整します。
色彩やエフェクトなどは変えられません。
テキストにハイライトカラーを付ける
ハイライトを付けたいテキストを選択し、右クリックで色を選びます。
スクラッチパッドでアイデアを書き留める
編集中に、文脈とは関係無いことを思いついたり、何かの参考をクリップしたい場合はScratch Padが便利です。
Tool → Scratch Pad で呼び出します。
保存場所はGeneral → Scratch Pad Location で指定。
ファイルとフォルダのアイコンを変える
フォルダやファイルの種類が分かりやすくなるよう、アイコンを変更します。
変更したい項目の上で右クリックして、Change Iconを選択。
メニューの最下部、Edit Iconから好きなアイコンを追加することができます。
基本、.icoファイルなら何でもいい感じ(その他の種類は試してないので不明ですが)。
サイズも自動的に圧縮してくれます。
コメント・脚注の挿入
編集中の文章にコメントや脚注を挿入することができます。
挿入した情報は画面右上部の『Informationアイコン』をクリックして、Informationパネルで行います。
コメントを入れたい部分を選択して、Format → Comment で挿入します。
脚注Footnoteも同じ要領で。
Informationパネルに表示する項目は、画面右、下方のアイコンで切り替えます。
こちらの記事も参考にどうぞ
無料ツールについて
国産でも優秀な無料ツールは少なくありません。
昔は「お手製カード」を利用したものですが、今はソフトウェアでもっと便利にできるので、どんどん活用して、章立ての文章を書く練習をして下さい。
NanaTerry
国産の無料アウトラインプロセッサといえば『NanaTerry』が最強です。
可愛いアイコンやカジュアルな雰囲気からは想像もつかないほど高機能。
「章立て(プロットの構築)」の練習、下書きなどにオススメです。
・ビジュアルリッチテキスト(縦書き可能)
・ツリー型階層 手軽に入れ替えOK
・画像、リンク挿入、メモ、ツリー装飾など、周辺の機能も充実。
・Evernotoと同期
参照→無料アウトラインプロセッサ『Nana Terry』が便利
オンラインで使えるコルクボードのアプリも幾種かありますが、『Pinup』が一番シンプルで使いやすいです。
テキストしか記入できませんが、その分、手軽で、操作しやすい。
オンラインに保存するので、ブラウザとネットがあれば、どのデバイスでもアクセスできます。
アイデアの書留と整理に。
Catmemo
こちらも可愛いインターフェイスからは想像もつかないほど高機能。
メモのストックや整理が楽しくできそう。