革命家はね、わき目をふっちゃいけないんだ

[su_row] [su_column size=”1/6″]良[/su_column]
[su_column size=”5/6″]実を言うと、あんまり姉さんと灰男さんと仲良くなってほしくないんだ。[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]夏美[/su_column]
[su_column size=”5/6″]なあんだ、妬いてるの?[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]良[/su_column]
[su_column size=”5/6″]そんあんじゃないさ、ただぼくらが仕事していくには、まわりのものに目をくれていちゃいけないんだ。革命家はね、お姉さん、道端にひなげしの花が咲いてもそれにわき目をふっちゃいけないんだ。[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]夏美[/su_column]
[su_column size=”5/6″](喜んで)あたし、ひなげしなのね。[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]良[/su_column]
[su_column size=”5/6″]「ひなげしを摘まないで」だ。[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]夏美[/su_column]
[su_column size=”5/6″]でも、どうして?
ひなげしを摘める日のための「お仕事」じゃなかったの? 良たちのは。[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]良[/su_column]
[su_column size=”5/6″]もの事には順序があるんだ。[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]夏美[/su_column]
[su_column size=”5/6″]花よりさきに実のつく草もあるわ。[/su_column][/su_row]

戯曲 毛皮のマリー・血は立ったまま眠っている (角川文庫)

人は、しばしば一つの思想に囚われ、わき目もふらぬことがある。

自由や平和の為に始めた運動が、いつしか「自身の思想を叶える為の手段」になっていく。

上記に喩えれば、『ひなげし』の為に始めた運動が、いつしか己の思想の正当性を証明する事が目的になるような場合だ。

そうなると、『ひなげし』は口実で、運動の是非が重要になる。

それは万人の為に見えて、その実、自分が正しいか否かのアピールに過ぎない。

『ひなげし』の為に始めた運動が正しければ、その恵みはいつか『ひなげし』に還元されるのだろう。

だが、その為に、わき目もふらず、省みもせず、邁進することが、果たして社会全体の益となるのか。

革命家が往々にして失敗するのは、最後には自己の正当性に固執するからではないだろうか。

QUOTE CARD

  • どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。 その後、彼は死ぬまで父を忘れず、その生き様を指針にするわけだが、愛とは何かと問われたら、慈しむだけが全てではない。身をもって生き様を示す勇気も至上のものだろう。 誰でも犠牲は怖い。  自分だけ馬鹿正直をして、損したくない気持ちは皆同じだ。  だが、その結果、一番側で見ている子供はどうなるか、いわずもがなだろう。  言行の伴わない親を持つほど不幸なことはない。  たとえ現世で馬鹿正直と言われても、本物の勇気、本物の優しさ、本物の気高さを間近に見ることができた子供は幸いである。 どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。...
  • 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。 どんなに小さくても、昨日よりは今日、今日よりは明日、少しずつでも歩みを進め、善きものを積み上げることを「創造的な生き方」と言います。 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。...
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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。
※ 現在、制作巣ごもり中につき、ほとんど更新していません。