姉さんの年が、そのまま世界の年のような気がする

[su_row] [su_column size=”1/6″]良[/su_column]
[su_column size=”5/6″]これを読んでみて下さい.[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]灰男[/su_column]
[su_column size=”5/6″]わが撃ちし鳥は拾わで 帰るなり
もはや飛ばざる ものは妬まぬ
・・・何だ、歌じゃないか。[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]灰男[/su_column]
[su_column size=”5/6″]おれたちは詩や歌なんて用はない(と、投げ出す)[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]良[/su_column]
[su_column size=”5/6″]何をするんです[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]灰男[/su_column]
[su_column size=”5/6″]きみが、書いたのか[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]良[/su_column]
[su_column size=”5/6″]姉さんです。[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]灰男[/su_column]
[su_column size=”5/6″]それを何できみがもって歩いてるんだ。[/su_column][/su_row]
[su_row] [su_column size=”1/6″]良[/su_column]
[su_column size=”5/6″]僕とちがって姉さんは勇気があります。それに学問がある。十八なんだけど、ぼくには姉さんの年がそのまま世界の年のような気がするんだ。それにぼくと血がつながっているくせに詩人なんです。[/su_column][/su_row]

血は立ったまま眠っている

良(=17歳。自動車修理工)は、灰男(=23歳。テロリスト)の舎弟みたいなものだ。
「がらすがあったら石をぶつけろ。壁があったらけとばすんだ」という灰男と一緒に、物を盗んだり、壊したり、を試みている。
そのくせ、どこか臆病で、躊躇いもある。

破壊と従順の狭間に立ち、現実を憎むことも、変えることもできない良にとって、夏美は別次元に生きる人。

この世の中において、堂々と詩を書けるのは、『自分の心』というものをしっかり持ち続けられる強さに他ならないから。

出典:戯曲 毛皮のマリー・血は立ったまま眠っている (角川文庫)

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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。
※ 現在、制作巣ごもり中につき、ほとんど更新していません。