マッチ擦るつかのま海に霧ふかし 煙草の銘柄は?

マッチ擦る つかのま海に 霧ふかし 身捨つるほどの 祖国はありや

有名な寺山修司の短歌だが、なぜ私はこの時、作者が煙草を吸い、その銘柄は何だったのかと考えるのだろう。

ピース? ハイライト? まさかチェリーということはないだろう。

そして、その海が、なぜ青森だと思うのだろう。

しかも、時間は『夜』で、テトラポッドのある海岸だと。

ちなみに、有名な著述家にして、思想家でもある某氏が、『身捨つるほどの 祖国はありや』などという若者は信用できない、みたいな事を言っていたが、どうして『祖国』は祖国だと鵜呑みにするのだろう。たまたま、そこに『そこく』がはまったから、そのような句に喩えただけで、実家であり、故郷であり、生まれついた定めであり、自分を縛る世間であり、いろんなニュアンスがあるはずなのだけど。

ところで、擦ったマッチと吸い殻は、どこにいったのか。

私にはポイ捨てできずに、コートのポケットに忍ばせて持ち帰った、寺山修司の姿が浮かぶ。

QUOTE CARD

  • どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。 その後、彼は死ぬまで父を忘れず、その生き様を指針にするわけだが、愛とは何かと問われたら、慈しむだけが全てではない。身をもって生き様を示す勇気も至上のものだろう。 誰でも犠牲は怖い。  自分だけ馬鹿正直をして、損したくない気持ちは皆同じだ。  だが、その結果、一番側で見ている子供はどうなるか、いわずもがなだろう。  言行の伴わない親を持つほど不幸なことはない。  たとえ現世で馬鹿正直と言われても、本物の勇気、本物の優しさ、本物の気高さを間近に見ることができた子供は幸いである。 どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。...
  • 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。 どんなに小さくても、昨日よりは今日、今日よりは明日、少しずつでも歩みを進め、善きものを積み上げることを「創造的な生き方」と言います。 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。...
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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。
※ 現在、制作巣ごもり中につき、ほとんど更新していません。