愛と耽美の映画

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愛と破滅の旋律 マーロン・ブランドの『ラストタンゴ・イン・パリ』

「君のことは何も知りたくない。どこに住み、どこから来るかも何一つ知りたくない。外の世界は忘れて、この部屋で会うんだ」妻に自殺された中年男のポールと若く美しいジャンヌは古びたアパートで突然欲情し、激しく抱き合う。互いに誰かも知らないまま逢瀬を重ね、情交に耽るが、前途あるジャンヌはポールに嫌気がさし、悲劇へとひた走る。

1982年 時代で読み解く『ブレードランナー』と愛のテーマ

この作品が作られた『1982年』は、東西冷戦下、ロシアではなくソビエト連邦の時代である。 技術面では、インターネットもなければ、携帯電話もない(ガラケーさえ)、ようやく世界初のCDプレイヤーが登場し、TVはリモコンが普及して、「わぁ、すごい、チャンネルを変えるのにコタツから出る必要がないんだ」と喜んでいたようなレベルである。

暴力かSMか・共存する愛と支配 映画『愛の嵐』

半裸の少女がナチス将校の衣装をまとい、両手で胸元を隠して、マレーネ・ディートリッヒの曲を儚げに歌う場面で有名。将校マクシミリアンと囚人のルチアは、戦後、見知らぬ他人として再会するが、再び激しく求め合う。『私は第三帝国に仕えたことを誇りに思う。再び生まれても同じことをするだろう』『僕はあえてドブネズミの人生を選んだんだ。夜、働くのには訳がある。光だよ。私には光が眩しいんだ』の台詞が印象的。

泣き虫の殺し屋『ニキータ』女は美しさを利用して成長する

フランス情報機関により、不良娘が一流の暗殺者に教育される。その指導を行うのが名女優ジャンヌ・モロー。『微笑みなさい。知的に見えなくても、相手に好感を与えるわ』『この世には無限のものが二つある。女の美しさとそれを利用すること』のような台詞は若い女性へのエールでもある。女性の成長と切ない恋を描いたアクション&ロマンスの傑作。

三島由紀夫&美輪明宏『黒蜥蜴』妖艶と美麗の極致

ねえ、鏡のなかの紳士。明智ってすばらしいと思わない? そこらに沢山いる男とちがって、あの男だけが私にふさわしい。でも、これが恋だとしたら、明智に恋しているのはどの私なの? 返事をしないのね。それならいいわ。また明日、別の鏡に映る別の私に訊くとしましょう。じゃ、さよなら。

映画『SHAME -シェイム- (恥)』愛してはならないものを愛した時

本来、『恋』や『愛』というのは、この世の規範や常識を超えたものだ。男が男を、女が女を、妻子や婚約者のある人を、親子ほどに年の離れた人を、血の近い人を、立場的に禁じられている人を、思いがけなく好きになってしまう気持ちはどうしようもない。「止めよう」と決めて止められるものならそれは恋ではないし、本気で恋 […]

「恋人」らしい恋人の為の映画『ゴースト ~ニューヨークの幻~』

1990年、この映画が流行っていた時、私もこういうヘアスタイルにしたくて、髪をうんとショートにしたことがあります。 が、やはりタヌキ顔には似合わず、秋には帽子をかぶって出来の悪さを隠していました。 写真の髪型は今見ても非常に可愛いし、憧れますけど、このヘアスタイル、第一に顔のラインがシャープでないと […]

石岡瑛子さん追悼 フランシス・コッポラの映画『ドラキュラ』~不滅の愛を描く~

フランシス・コッポラの描く『ドラキュラ』はホラーを超えた愛の物語である。悪魔と知りながら恋に落ちるミーナ、愛欲に狂いながらも「愛するあなたをこんな苦しみの世界に引き込むことはできない」と吸血することを躊躇うドラキュラ。ゴシックとエロティックが織りなす幻想的な背景に、日本人デザイナー石岡瑛子の卓抜した衣装デザインが花を添える。