「人を好きになる」のも能力の一つ

「好きな人などない(異性・同性あわせて)」「人を好きになったことがない」という場合。

では、目の前に、容姿も性格も条件もパーフェクトな人が現れたら好きになるか──と言えば、決してそうじゃないですよね。

人間の「好き」な気持ちって、もっと不可思議なものです。

神経質とかズボラとか、頭髪が薄いとか背が低いとか分かってても、なぜかその人に惹きつけられる。すごくイヤな面もあるけど、どこか許せるし、一緒に居たいと思う。

「優れているから」「欠点がないから」人を好きになるのではなく、人が人を「いとしい」と思う気持ちは、たいていの場合、その人の至らない所とか弱い所もひっくるめて理解できた時、心に湧いてくるのではないでしょうか。

そう考えると、「人を好きになる」というのは、一つの能力と言えます。

出会い運が無いから、周りにイイ男がないから、「好きな人なんて、ない」じゃなくて、自分自身に他人を理解したり、受け入れたり、感じたりする力がないとね。たとえ目の前にダイヤの原石みたいな男性がいても、多分、気付かずに終わってしまうでしょう。

ダイヤの原石は「それ」と分かる女性と一緒になって、ピカピカに輝き出す。

それを横目で見て「いい男はみんな結婚してる(彼女がいる)」とか言い出す。

運が悪いんじゃなくて、人の良さを正しく見られない自分自身の落ち度に他なりません。

おそらく、「人が好き」と思える人は、「自分のことも好き」ですよ。

他人の過ちが許せるように、自分の過ちも真っ直ぐ見つめて受け入れることができる。

言い換えれば、自分のダメな部分から逃げ回っている人は、他人のダメな部分にもやたら鋭くて、あれこれツッコミを入れたくなる、損な性分ではないでしょうか。

「いい人だから、好きになる」のではなく、「相手がどんなであれ、好き」というのは、健やかな自己愛を伴った、一つの心の能力なのですヨ。

Morgenrood 曙光

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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。趣味はドライブと登山。