二度敗れた人に忠告する。三度目に火を求めぬように。『虱と農夫』イソップ寓話集

農夫が畠を耕していると、虱がこっそり咬みついた。
二度までは耕作を止めてシャツの掃除をしたが、またも咬まれるので、再々仕事の手を止めなくてもよいように、シャツを火にくべた。
私も二度敗れた人に忠告する。三度目に火を求めぬように、と。

イソップ寓話集(岩波文庫)

一般に、成功するまで頑張るチャレンジ精神は美徳とされるけれども、一方で、引き際を見極める知恵と潔さも必要で、盲目的に追い求めれば、最後には己の執心で身を滅ぼす、という喩え。

難しいのは、成功することより、「ここまで」とラインを引くことで、もう少し頑張れば成功を掴める……というぐらいのポジションが、一番危ない。

それでもしぶとく頑張るか、三度目の火は求めぬと潔く撤退するか、それこそ人それぞれだけど、本当に痛いのは、失敗することか、悔いを残すことか、どちらか自分に問いかけてみるといい。

悔いこそ恐れるならば、我が身を滅ぼす覚悟でやればいいし、失敗が怖いなら、そこまで目指すのは止めればいい。

いずれにせよ、その引き際は誰にも教えてもらえないので、自分で決断するしかない。

が、あえて言うなら、もうさんざんに痛い目に遭っているなら、三度目の火は求めぬ方が利口だし、二度頑張って達成できないものは、三度目も同じ結果だと思う。

もし、三度目が上手く行くとするなら、それは今までとは全く異なる方策をとった時だ。

同じ角度、同じ場所を狙い続けても、農夫に潰されるだけで、決して上手く行くことはない。

あるいは、成功というのは、能力の問題ではなく、タイミングと方法が決めるのではないだろうか。

 イソップ寓話集 (岩波文庫) (文庫)
 著者  イソップ
 定価  ¥ 1,102
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QUOTE CARD

  • どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。 その後、彼は死ぬまで父を忘れず、その生き様を指針にするわけだが、愛とは何かと問われたら、慈しむだけが全てではない。身をもって生き様を示す勇気も至上のものだろう。 誰でも犠牲は怖い。  自分だけ馬鹿正直をして、損したくない気持ちは皆同じだ。  だが、その結果、一番側で見ている子供はどうなるか、いわずもがなだろう。  言行の伴わない親を持つほど不幸なことはない。  たとえ現世で馬鹿正直と言われても、本物の勇気、本物の優しさ、本物の気高さを間近に見ることができた子供は幸いである。 どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。...
  • 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。 どんなに小さくても、昨日よりは今日、今日よりは明日、少しずつでも歩みを進め、善きものを積み上げることを「創造的な生き方」と言います。 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。...
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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。
※ 現在、制作巣ごもり中につき、ほとんど更新していません。