人生はまだ開かぬ薔薇のつぼみ

人生はまだ開かぬ薔薇のつぼみ

イギリスの誇る詩人ジョン・キーツの詩句、【人生はまだ開かない薔薇の希望】を私流にアレンジしたもので、うちの可愛いミニバラを見る度、いつも思い浮かべる言葉です。

花というのは、発芽する時以上に、開花にエネルギーを要するものです。

硬い種子の殻を破る瞬間も大変ですが、蕾をほころばせ、美しい花を開かせる過程はなお苦しい。

蕾は思った以上に硬く、厳く、“あと一歩”がなかなか突破できないものです。

花を見ていると、葉や根っこから得たエネルギーを、一心に蕾の一点に送っているのがよく分かる。

これでもか、これでもか、というくらい力を入れても、まだ壁を破れない。

中には、そのまま花開くことなく、落ちてしまう蕾もあります。

だからこそ、立派に花開いた姿が、こんなにも愛しく、美しいのでしょう。

硬い種子から芽を吹き、葉を広げ、陽に向かって成長していく過程の集積が「花」であり、そこには生命と創造の輝かしい結晶作用が見て取れます。

それはまた蕾に隠された希望の象徴であり、人は、本物の開花の時期を迎えるまでは、あらゆることに希望がもてる――

また、もたねばならない、ということを教えてくれるのです。

初稿:1999/04/02(金)

Morgenrood 曙光

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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。趣味はドライブと登山。