君は逆立ちしても『普通の娘』にはなれないよ。

生まれも育ちも、そこいらの女の子とは違う。

たとえ量販店の服を着て、港町のスタンドバーでビールを飲んでも、君が普通でないのは誰の目にも分かる。

俺の母もそうだった。運河沿いの小さな家で暮らしていても、他とはどこか違ってた。

でも、それでいいんだよ。君には君の生き方があって、ポジションがある。

皆と同じ平原に降りてこなくても、君の立ち位置から務めを果たせばいい。

そして、俺もその方がきっと好きだよ。

海洋小説『曙光』 MORGENROOD (上) のボツ原稿