愛の試練は同じ重さでやって来る

愛の試練は同じ重さでやって来る ~一緒に居ても、居なくても

同じ顔ぶれ、同じ資本が跋扈する ~なぜ社会のビジョンが必要なのかの中で、ヒロインのリズと、伯母のダナが、恋について語り合う場面で挿入していた台詞。

人生が思いがけない方向に流れていくことに対し、『運命には実体がない。それは幸運でもあり不運でもある』と運命について語り合う。

「いい人なの。自分でもどうしようもないくらい心惹かれてるわ。でも、どうしたらいいのか分からない。今にも心の熱に呑まれてしまいそうで……」

「盲目になるのが怖いのね」

「もう、ほとんど心の目は塞がっているわ。あの人が好きで、いつまでも側に居て欲しい、それしか考えられなくなってる。パパが倒れたのも私のせいよ。私が帰りたくない一心で、心の舵を左に切ったから……」

<中略>

「あなたは心の舵を左に切った……と言ったわね。好きな人と一緒に居たいがために、運の流れを変えようとした、と。

どのみち、運命に勝てない愛は、いずれ海の泡みたいに消えてゆく。

あなたが運命の輪をどちらに回そうと、愛とは常に試されるものよ。

楽しいことだけ存在する愛などなければ、簡単に真実に至る愛もない。

一緒に居ようと、居まいと、愛の試練は同じ重さでやって来る。

あなたが不安と淋しさに耐えられないようなら、愛もいずれ死ぬのよ」

海洋小説『曙光』 MORGENROOD (上) ボツ原稿

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海洋小説『曙光』MORGENROOD

ニムロディウムという架空の金属元素を中心に、鉱業、海底鉱物資源、深海調査、海洋情報ネットワーク、建築&デザインなどをテーマに描く人間ドラマ。水深3000メートルに眠るニムロディウムの採掘は世界を変えるのか。生の哲学を中心に海洋社会に生きる人々の願いと攻防を描きます。Google Driveにて無料サンプルPDFも配布中。

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