「お前、愛はないのかい?」

「誰に対して」

「家族に対してだ」

「あるよ。でも、それとこれとは別問題さ。愛と生の行き先は必ずしも一致しない。愛が惜しみなく奪うなら、生は惜しみなく踏み越える。それが俺の哲学だ」

「何が”哲学”だ、ただの身勝手じゃないか」

「身勝手というなら、父さんの愛もたいがい身勝手だと思うよ。まさに愛という名のエゴイズムだ」
三番街にピアノが鳴ったら