心の海が凪いでいる

目の前は
未だ黒い雲が垂れ込め
水面には陽も射さないけれど
それを見つめる眼は
不思議なほど穏やか
まるで心の海を映し出すように

風は荒ぶり
波は切り立つ

それでも彼は水際に立ち
一人静かにつぶやくのだ

世界中で この海を生かせるのは
私しかいない

心の海が凪いでいる
目の前の嵐とは裏腹に
それは深く確かな未来への決意
本当の強さはいつでも物静かなものだ

そうして彼は二たび
無の平原に向かう

そこには何も見えないけれど
確かに何かが存在するから
彼にだけ感じる
何かが在るから

世界は変わる。
変わると信じた人間が
変えるのだ

いまだ目覚めぬ未明の力よ
闇を貫く一条の光よ

無の彼方より立ち上がり
眠れる海を照らせ
尽きることなき創造の光で

その輝きに
世界が震える日まで

コルネリス・レリー オランダ