エディット・ピアフに捧ぐ ~小さな雀

天国への階段は
悲しみと苦しみでできていると
あなたは言った

幸せなんて
小さな踊場に過ぎないと

歌は
時に涙のように
あなたの胸から零れ落ちる

葉の上の滴が
その重みに耐えきれずに
滴り落ちるように

だけど そんな哀しい響きさえ
あなたが歌えば
一篇の詩になる

曇った涙の滴が
澄んだ水晶の玉になるように
あなたは あらゆる影を
光に変えてしまう

あの街角で
あの辻で
人は耳を傾けずにいない
同じ痛みをもつ
あなたの声に

あなたの歌う
豊かな人生に

愛にあふれた
小さな雀(ピアフ)
与え 与えて
この世を去った

太陽が 地上に
何の見返りも期待しないように

だけど あなたが注いだ光は
永久に輝きつづける
人の世がある限り

その眼から
涙が消えぬ限り

美輪明宏の演劇『愛の讃歌 エディット・ピアフの生涯』を見た日に書いたもの

初稿:2002年5月2日

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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。趣味はドライブと登山。