真珠と努力とライフワーク

真珠の核にあるのは、棘だか砂だかの小さな異物。
痛い、苦しいと泣きながら、じっと抱えているうちに、
綺麗な珠になりました――。

愛でも、閃きでも、何ものにも顧みられることなく、
じっと胸に抱き続けることは苦しいものだ。
ダイヤの原石か、ただの石ころか分からぬものを、
ひたすら自分の中で磨き続けることは。

人はそれがダイヤの原石と分かれば大事にする。
全力を尽くして磨こうとする。
だが、得体の知れないものには冷たい。
磨く努力もしない。

異物を抱き続ける苦しさに負けて、
吐き出してしまえばそれで終わりだ。
楽になっても、何をも生み出すことはない。

ライフワークを完成させるのは、運や才能ではなく、
「始まり」という名の小さな異物を
どこまで抱き続けられるかだと思う。

この世には、いろんな真珠があるけれど、
自分が結晶させた真珠は、
この世のどんな宝石にも勝る。

記 2005年?

Morgenrood 曙光

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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。趣味はドライブと登山。