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文芸・評論

ココ・シャネルと『女の自立』 ー男に振り回されない人生ー

ココ・シャネルの伝記を読んでいると、『女性の自立』を体現した先進的な人物として描かれていることが多いが、一方で、心の奥深くでどろどろとくすぶるような女の怨念を感じることもあり、果たしてこれが女性の目指すべき真の自立なのか、とつくづく考えさせられる。 これが10年前なら──独身時代の、一番生き生きと輝 […]

曙光と落日 廻る光の哲学とニーチェ

今にも落ちそうな陽に、哀れを感じたことはありませんか? 西日の強さにうんざりさせられたことはありませんか? 私はどうしても『沈む陽』の気持ちが分からなくて、西の空を燃えるような赤や黄金に染める太陽に、何度も問いかけたものでした。

死を受容する必要なんか、ない / 渡辺淳一の『無影灯』

患者は死期が近づいたら駄目なことを自然に自分で悟る。われわれが改めて言う必要などはない。患者は黙っていても助からないのを悟る。その時、俺は助からないのではないかとか、癌なのに嘘をついた、などと怒ったりはしない。彼らはそんなことを考えたくはないのだ。自分は駄目だとは思いたくない。だから、そんな怖いことは訊いてこない。医者は嘘をついていると知りながら嘘のなかに入っていこうとする。われわれがとやかく言わなくても、向こうから入ってくる

『ジャガイモを食べる人々』ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの時代から

先週、ガラスで指を切る前に買ったジャガイモ2キログラム。 一週間、水仕事が出来ない間にすっかり芽吹いて、ジャガイ・ヨシノ状態になってしまった。 「おめぇ、こんな所で満開して、どうするんじゃい」 と一人でツッコミを入れながら、しょうーがないので皮剥き。 とにかく、取れるだけ芽を取って、マッシュ・ポテト […]

渡辺淳一の本当の名作 ~『無影灯』『愛人』『化身』『わたしの女神たち』etc

『失楽園』ブームがあまりに強烈だったため、渡辺淳一といえば「性愛小説家」というイメージがありますが、私は『女性に優しい作家』として読んでいます。 特に過去のエッセイなど読んでいると、とにかく女性を見つめる眼が優しい。 ブスと呼ばれる女性にも一点の美しさを見出すような柔らかい感性が感じられます。(昔は […]

戦後日本の宿命と社会の不条理を描く 森村誠一『人間の証明』 / 野性の証明

八杉恭子に人間の心が残っているなら、必ず自白するはずだ。無残に刺殺された黒人ジョニー・ヘイワードと西条八十の麦わら帽子の詩の関連を追う中、棟居刑事は一夏を霧積で過ごした家族の存在を突き止める。戦争直後の混乱と貧困を背景に、人種差別や階級格差を描いた本作は、単なる推理劇にとどまらない重厚かつ社会的な人間ドラマである。

白い巨塔 / 華麗なる一族 山崎豊子

私が山崎豊子の『白い巨塔』に惹かれる最大のポイントは、山崎氏が「医療に関してはまったくの素人であった」という点。 『白い巨塔』は、取材に膨大な時間とエネルギーを費やした。 医学に全く素人である私は、取材の前にまず予習が必要であって、がん手術の取材一つにしても、あらかじめ専門書によって、その順序、周辺 […]

アルトゥール・ランボーの詩 / サントリーCM映像 / 映画『太陽と月に背いて』

もう一度 探し出したぞ。何を? 永遠を。それは、太陽と番った 海だ。待ち受けている魂よ、 一緒につぶやこうよ、空しい夜と烈火の昼の 切ない思いを。フランスの天才詩人ランボーの傑作と、ランボー&ポール・ヴェルレーヌの男色スキャンダルをテーマにした映画『太陽と月に背いて』の魅力を語る。

>海洋小説『曙光』MORGENROOD

海洋小説『曙光』MORGENROOD

ニムロディウムという架空の金属元素を中心に、鉱業、海底鉱物資源、深海調査、海洋情報ネットワーク、建築&デザインなどをテーマに描く人間ドラマ。水深3000メートルに眠るニムロディウムの採掘は世界を変えるのか。生の哲学を中心に海洋社会に生きる人々の願いと攻防を描きます。Google Driveにて無料サンプルPDFも配布中。

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