天使

メロウな気分を優しく癒やす 初心者におすすめクラシックの名曲 13選

心が傷ついた時。

ひどく落ち込んだ時。

お気に入りのジャズやバラッドが心を癒やしてくれることもありますが、たまにはクラシックの名曲も聴いてみて下さい。

クラシックって、意識高い系の音楽ではないです。

モーツァルトも、リストも、ショパンも、今風に言えば、小田和正か、YOSHIKIみたいなものですよ(← それでも古いか?)

音楽界のスターで、大勢が新曲のリリースを楽しみにしてました。

昔はシンセサイザーも音楽番組もアイドル歌謡曲もなかったから。コサックダンスやヨーデルみたいな、民族的な楽曲はあったけども。

リストやショパンがサロンでピアノを弾けば、若い娘が失神。

私のフランツさま❤❤ そんなノリだったのです。

そこで初心者にも優しいクラシックの名曲をご紹介します。

[Spotify]

アプリをインストールすれば、無料でも再生できますので、ぜひご利用下さい(無料版には宣伝が入ります)。これはアフィリエイトじゃありません。そもそもSpotifyはアフィリエイトやってない。

天国に一番近い歌:マイケル・マクグリン『Sleepsong』

一時期、日本でも『美少年コーラスグループ』として人気のあったボーイズ・エア・クワイアのデビュー・アルバム『Blue Bird』に収録。
リードの、エドワード・バロウズ君の声が、人間とは思えない。まさに天使。
しかし、どんな美しい男声もいつか声変わりする。
この歌声は、少年の一時期だけに許された、天の賜。
BL系のファンが多かった記憶あり。

曲に関しては、奇跡のような美しさ。天界のブルーを思わせる透明感と無限の広がりが素晴らしい。
何度でも繰り返し聴いてしまう、神レベルの名曲です。

残念ながら、ボーイズ・エア・クワイアの演奏はSpotifyにもYouTubeにもなく、Amazon Prime Musicのみで配信されています。

こちらは中世アイルランドの宗教曲や聖歌で有名な、男女混成の合唱団『アヌーナ』の演奏。
こちらも負けず劣らず、美しい合唱です。天国に一番近い。

乙女の定番:ロマンティックの極致 『亡き王女のためのパヴァーヌ』

『ボレロ』で有名なモーリス・ラヴェルの傑作。元々、ピアノ曲として作られましたが、オーケストラにも編曲され、コンサートでもしばしば取り上げられる人気曲です。

”亡き王女のための”

白い羽衣に身を包んだ無垢な乙女が、ゆっくりと、静かに天国への階段を上っていくイメージ。

ふと後ろを振り返ると、懐かしい人々の嘆き悲しむ顔が見え、足が止まるけれども、全ての人をいっそう愛する為、そして幸せを祈る為、神様のいる、あの光の国に向かって、一歩ずつ、雲の階段を上っていく。

いつの日か、温かい光に生まれ変わったら、いつまでもあなたの頭上に注ぐでしょう。

たとえ、あなたが気付かなくても、いつの日も、いついつまでも。


シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団


アンドレ・ラプラント(ピアノ)

哀愁という言葉はラフマニノフに教わった:『ヴォカリーズ』

優しい人ほど、心に多くの傷を負って、明日に希望を見出せずにいる。

どれほど力付けられても、あらゆる言葉で慰められても、どうにも埋めようのない悲しみがある。

そんな時、人はどう生きていけばいいのか、星に祈っても、答は返ってこない。

ただ涙を流し、過ぎ去った日々を想うだけ――。

ヴォカリーズは、そういう気分向けです。

それもまた人生の一面と教えてくれる、深みのある名曲です。

ちなみにミッシャ・マイスキーは、実姉がイスラエルに亡命した為に、ソビエト当局の監視下におかれ、強制収容所にも送られた経験の持ち主。
暗黒時代を生き抜いたチェリストだけに、演奏にも独特の味わいがあります。


ミッシャ・マイスキー(チェロ)

オーケストラ版もあります。


ロリン・マゼール指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

フランス版 ちいさな秋みつけた:ドビュッシー『メヌエット』

意外と注目されない『四手のための連弾作品集』。しかし、第一曲の『小舟』は、喫茶店などのBGMで耳にされた方も多いのではないかと思います。

しかし、私の一押しは、第三曲の『メヌエット』。この四手のための連弾は、春・夏・秋・冬を意識した作りで、メヌエットは”秋”に相当します。
いわばフランス版「ちいさな秋みつけた」。
枯れ葉のつもるパリの小径、背の高い木々の向こうから、やさしい木漏れ日が差し込み、黄金に色づいたプラタナスの葉がはらりと舞い落ちるような、お洒落な小品です。(今のパリはそんな雰囲気じゃないですけどね)
第二曲の『コテージ』は初夏の湖畔、次曲の『バレエ』はクリスマスを想起させる、季節感あふれる組曲です。

メヌエットはシンプルな曲なのですが、意外と、お気に入りの演奏を見つけるのが難しい。奏者によって、まったく解釈が異なるので。
多分、私が最初に買ったCDのピアニストがあまりに素晴らしかったので、余計で耳がうるさくなったのかも。
残念ながら、奏者の名前を覚えておらず、レコード会社もどこだったか思い出せない。
日本ではマイナーなピアニストだったのですが、とにかく私好みの丁寧な演奏だったのです(・_・、)


タルマ・グラナト(ピアノ)

ドビュッシー:『組み合わされたアルペジオのために』

ドビュッシーといえば『月の光』が圧倒的に有名ですが、『組み合わされたアルペジオのために』も水と光を連想させる、非常に美しい小品です。

正式な作品名は、『練習曲集 第2巻から 第11曲』。ドビュッシーのもっとも得意とするアルペジオの腫瘍がさまざまな形で繊細に組み合わされ、この≪練習曲集≫の中でもとくに美しい詩情をもっていることで知られる(ライナーノーツより)。

私の好きなアレクシス・ワイセンベルクの演奏で。

サン・サーンス 『動物の謝肉祭 第7曲 水族館』

こちらも”水”の描写が美しい、透明感のある小曲です。魚がいっぱい泳いでいるのに、どこか物悲しい調べなのは、魚たちが束の間の命を生きているからでしょうか。尾びれの長い小魚たちが透明な水の中で戯れる様が美しいです。

哀れを誘う:プッチーニ 蝶々夫人 第一幕 『そら、やって来ましたよ』

『蝶々夫人』といえば、「ある晴れた日に」が圧倒的に有名ですが、旋律の美しさは、お輿入れの時に歌う『そら、やって来ましたよ』の方がはるかに上だと思います。
その結婚が何を意味するのか、疑いもせず、幸福に胸を膨らませてピンカートンに嫁ぐ蝶々さん。
美しい大空、たくさんの花々。
わたしは愛に誘われてやって来たのよ……と健気に歌う蝶々さんがあまりに哀れだが、このパートの澄んだ響きと無垢な悦びは白眉のものです。


蝶々夫人(ミレッラ・フレーニ) ピンカートン(ルチアーノ・パヴァロッティ)カラヤン指揮

スタンリー・マイヤー&ジョン・ウィリアムス 『カヴァティーナ』

ベトナム戦争の悲劇……というより、英雄気取り兵士になって、戦争に出掛けたものの、そこは文字通りの地獄で、身も心も傷ついた若者の心の傷を描いた映画として、今なお深い感銘を与えるマイケル・チミノ監督の傑作『ディア・ハンター』のテーマ曲。主演、ロバート・デ・ニーロ。
戦争反対、○○が悪いといった政治的プロパガンダは一切なく、戦争体験を境に180度変わってしまった心と人生をリアルに描いた作品で、ただただ哀れでしかない。
そんな彼らの心の傷にそっと寄り添うような、優しい響きが印象的。
『カヴァティーナ』は、戦争によって引き起こされる、地上のあらゆる不幸に捧げられた曲。
せめて神の御許で癒やされんことを願って。


スタンリー・マイヤー(ギター)

ジョン・ウィリアムスのオーケストラ・ヴァージョン『カヴァティーナ』。

マフィアの鎮魂歌:マスカーニ『カヴァレリア・ルスカティーナ ~間奏曲』

『ゴッドファーザー PartⅢ』で効果的に使われたが為に、この曲を聴く度、「Nooooo~」と号泣するアル・パチーノの顔しか浮かばなくなりましたが、それさえなければ、心にしみるような美しい曲です。


ミラノ・スカラ座 交響楽団

興味のある方はどうぞ↓ オペラと同じく、父親に恋を反対された娘が、マフィアの抗争の巻き添えになって死んでしまう、という設定です。
オペラ未見の方は、アル・パチーノのイメージが焼き付いてしまうので、ご注意を^^;

ドヴォルザーク 『交響曲 第八番 第三楽章』

哀愁といえば、ドヴォルザークの交響曲 第八番の第三楽章が極み。

ドヴォルザークといえば『新世界』が圧倒的に有名ですが、旋律の美しさは第八番の方が上かなと、私は思う。
同じ哀愁でも、ラフマニノフのスラビックな哀愁と異なり、ドヴォルザーク(チェコ出身)はより大地の匂いがするというか、森のイメージなのです。
ラフマニノフは沈みゆく夕陽のイメージだけども。

この第三楽章は優美という他ない。どことなくスメタナの『モルダウ』に似ているのがポイント。


ラファエル・クーベリック指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

薔薇と死:グスタフ・マーラー 『交響曲 第五番 第四楽章』

これも定番中の定番。マーラーの交響曲の中でも白眉とされる、ロマンティックの名曲です。
美少年好きが泣いて喜ぶルキノ・ヴィスコンティの傑作『ヴェニスに死す』でも効果的に使われています。

しかし、あまり深く聞き入ると、無性に死にたくなるので注意が必要です。


ラファエル・クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団

ちなみに、バレエでは著名な振付師マリウス・プティパがウィリアム・ブレイクの詩に触発されて『バラの死』というテーマで小品を創作しています。
今、文献が手元にないので、うろ覚えになりますが、一輪の美しいバラが、死(虫か病気)に魅入られ、はかなく散っていく様子を描いたものです。
薔薇と死は互いに恋をするのですが、その恋は死へと繋がっていくというのが何とも儚いですね。

一方、『ボレロ』の振り付けで有名なモーリス・ベジャールは、彼のミューズであった、ジョルジュ・ドンの為に『アダージェット』(確か「死が私に語るもの」という副題がついていたような気がします)を創作しました。こちらはかなり抽象的で、上級者向けの作品です。

フォーレ『シシリエンヌ』

メーテルリンクの名作『ペレアスとメリザンド』の上演に際して作曲された。
『シシリエンヌ』は、第二幕の「泉の場」への間奏曲として用いられたシチリアーノ(シチリア舞曲)、ペレアスと愉しく語らっているメリザンドが、ゴローからもらった指輪を噴水の中へ落とす。独奏フルートとハーブによる情景描写が美しい(ライナーノーツより)

オーケストラ版とフルート版が有名ですが、静かに聴くなら、フルート版がおすすめ。サロン風の可愛らしい小曲です。


サラ・カトラー(フルート)

オーケストラも悪くはないですが、ちょっと重たい感じで、私はあまり好きではありません。
こちらの方が全体としてはしっくりくるかもしれないですね。

悲しくも美しい:ジェリー・ゴールドスミス 『チャイナタウン ~エンドテーマ』

こちらはクラシックに分類される曲ではありませんが、映画のテーマ曲としては十指に数えられる名曲です。
ジャック・ニコルソン主演の『チャイナタウン』は、汚職をめぐる人間模様を描いたクライム・サスペンス。脚本としても、後世の映画作りのお手本とされる名作で知られています。

おまけに、ジェリー・ゴールドスミスのTVドラマ主題曲『The Detective』より『The Dark Song』を。

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