安逸な日常を疑え 『隣同士の蛙』イソップ寓話集より

隣同士の蛙が二匹、一匹は深くて道からも遠い沼に、もう一匹は道にできた小さな水たまりに住んでいた。沼の蛙がもう一方に、自分の側へ引っ越して来て、もっと楽しく安全な暮らしをするように、と勧めたが、こちらは、住み慣れた場所から離れがたい、と言って従おうとしなかった。そしてとうとう、通り過ぎる車に轢き殺されてしまった。

このように人間の場合でも、下らぬ仕事に憂身をやつす者は、もっと立派な仕事に転じる前に身を滅ぼすのだ。

イソップ寓話集(岩波文庫)

道から遠い沼に住む蛙と道の水たまりに住む蛙の例え話はいろんな風に解釈できる。

危機感のある人と、ない人。

見識のある人と、ない人。

状況に応じて行動を変えられる人と、変えられない人。

いずれにせよ、日常から抜け出すのは難しい。

なまじ居心地がいいと、動くきっかけも、考える気力もなくしてしまう。

スローに生きるのが悪いとは言わないが、たえず自分の置かれた状況について疑うことは必要だろう。

本当に安全か。

いつまで続くのか。

他に比べてどうか。

多くの忠告は、都合が悪くて、面倒くさい。

道の水たまりに住む蛙も、深い森の奥に引っ込んで、水を飲む為に、いちいち出てくるのが面倒だったのだろう。

自分にとって心地よい選択が、必ずしも正しいとは限らないのが、この世の難しいところである。

よく言われることだが、迷ったら、逆に行くのも一手だ。

会いたくなくても、会ってみる。

行きたくなくても、行ってみる。

やめたくなくても、やめてみる。

その逆も然り。安逸

右回りで上手くいかないなら、左に回ってみる。

正答は、たいてい、自分が苦手な方にあったりするので。

 イソップ寓話集 (岩波文庫) (文庫)
 著者  イソップ
 定価  ¥ 1,102
 中古 50点 & 新品  ¥ 7 から
 5つ星のうち 4.3 (25 件のカスタマーレビュー)

関連する記事

[su_posts template=”templates/list-loop.php” posts_per_page=”5″ post_type=”post” taxonomy=”post_tag” tax_term=”207″ order=”desc” orderby=”rand”]
[su_spacer]
[su_label type=”info”]タグ[/su_label] イソップ寓話集

QUOTE CARD

  • どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。 その後、彼は死ぬまで父を忘れず、その生き様を指針にするわけだが、愛とは何かと問われたら、慈しむだけが全てではない。身をもって生き様を示す勇気も至上のものだろう。 誰でも犠牲は怖い。  自分だけ馬鹿正直をして、損したくない気持ちは皆同じだ。  だが、その結果、一番側で見ている子供はどうなるか、いわずもがなだろう。  言行の伴わない親を持つほど不幸なことはない。  たとえ現世で馬鹿正直と言われても、本物の勇気、本物の優しさ、本物の気高さを間近に見ることができた子供は幸いである。 どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。...
  • 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。 どんなに小さくても、昨日よりは今日、今日よりは明日、少しずつでも歩みを進め、善きものを積み上げることを「創造的な生き方」と言います。 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。...
Morgenrood 曙光

Kindle Unlimited

宇宙文明の根幹を成すレアメタルをめぐる企業の攻防と人間の生き様を描いた本格的な海洋ロマン。専門用語は使わず、予備知識のない人でも分かりやすい内容に仕上がっています。無料PDFも配布中。Kindle Unlimited 読み放題の分冊もリリース。

この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。
※ 現在、制作巣ごもり中につき、ほとんど更新していません。