扇動政治家は祖国を内紛へと誘導する時、最も力を発揮する『水を打つ漁師』イソップ寓話集より

漁師が川で漁りしていた。まず、流れの両側に差し渡して網を張っておき、紐にくくりつけた石で水を打った。不意をつかれて逃げる魚が、網にかかるという寸法だ。
ところが、これを見ていた近所の住民が、川を濁し、澄みきった水を飲めなくするものだ、と文句を言うので、漁師は答えて、
「しかし、こうやって川をかきまぜないと、俺さまが飢え死にせにゃならん」
このように国の場合でも、扇動政治家は祖国を内紛へと誘導する時、最も力を発揮するのだ。

イソップ寓話集(岩波文庫)

昔、ジョン・レノンが歌っていた。「すべての人々が平和に暮らしている姿を想像してみよう」と。

でも、そんな日は永遠に来ないことを私たちは知っている。

人間が愚かだから、ではなく、平和になったら困る人たちが少なからず存在するからだ。

絶えず争いの種を蒔き、動乱の影で漁夫の利を得るものがいる。

私たちは、さながら網にかかった魚のように、バタバタと藻掻くだけ。

運悪く網に捕らえられたら死ぬしかないし、たとえ網から逃れても、川が汚れては生き延びようがない。

では、どうするか。

どんな時も、本物の敵を見抜くこと。

混乱を栄養にして肥え太るものに注意を払うこと。

慌てて、さざ波を大きくしないこと。

もともと、平和とは退屈なもの。

そんな平和に倦まないこと。

 イソップ寓話集 (岩波文庫) (文庫)
 著者  イソップ
 定価  ¥ 1,102
 中古 50点 & 新品  ¥ 7 から
 5つ星のうち 4.3 (25 件のカスタマーレビュー)

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QUOTE CARD

  • どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。 その後、彼は死ぬまで父を忘れず、その生き様を指針にするわけだが、愛とは何かと問われたら、慈しむだけが全てではない。身をもって生き様を示す勇気も至上のものだろう。 誰でも犠牲は怖い。  自分だけ馬鹿正直をして、損したくない気持ちは皆同じだ。  だが、その結果、一番側で見ている子供はどうなるか、いわずもがなだろう。  言行の伴わない親を持つほど不幸なことはない。  たとえ現世で馬鹿正直と言われても、本物の勇気、本物の優しさ、本物の気高さを間近に見ることができた子供は幸いである。 どんな高邁な理想も、言葉だけでは人は動かせない。 身をもって示して初めて、理想が理想としての意味をもつ。...
  • 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。 どんなに小さくても、昨日よりは今日、今日よりは明日、少しずつでも歩みを進め、善きものを積み上げることを「創造的な生き方」と言います。 「創造的」というのは詩を書いたり、絵を描いたり、という意味ではありません。無の平原から意味のある何かを立ち上げることです。 より良く生きる為に、日々、考えること、実行すること、その全てが『創造』です。...
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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。
※ 現在、制作巣ごもり中につき、ほとんど更新していません。