名も無いA子さんを救ってこそ ~セクハラ問題に思う

ハリウッド女優の告発を皮切りに、世界中で巻き起こっている #Me too 。
「あなたも勇気をもって声を上げて欲しい」という意見もあるけれど、果たして、声を上げたところで、力になってくれる人がどれほどいるのか。

告発者が美人だったり、若かったり、有名であれば、世間にも注目されるけど、「コンビニ店員のA子さん(26)」が声を上げたところで、何がどうなるわけでもない。
ニュースバリューもなければ、どこの誰かも知らない。知ったところで、大衆に関心はないし、周囲も面倒に関わりたくないという人の方が大半だろう。
セクハラ問題の本質は、女性の自尊心を著しく傷つける点にある。「おどおどしている」「ここを辞めたら、行き場がない」のように、精神的にも社会的にも立場の弱い女性が狙われることが多く、それが女性自身にも分かるから、余計で自尊心が傷つく。
声を上げたところで、誰かが親身に味方してくれるわけでもなければ、月光仮面になって地位も名もある部長を成敗してくれるわけでもない。結局、自分が恥をかいて終わるのが目に見えているから、皆が躊躇するのであって、「声を上げよう」と促すだけでは何の救いにもならないと思うのだ。

声を上げれば、誰が、どんな風に助けてくれるのか、加害者とはどのように決着がつくのか、裁判か、示談か、金銭的な支援はあるのか。そもそも、どこに、どうやって訴えればいいのか。道筋が具体的に見えて初めて、希望がもてる。女優や、作家や、政治家や、有名女性がどれほど被害を訴えても、名も無いA子さんに救済の手立てがない限り、「どうせ自分なんかが告発しても、誰にも相手にされない」と、ますます落ち込むだけではないだろうか。

名も無いA子さんの訴えも、周りが全力で味方してくれる世の中になって初めて、世の女性は安心して声を上げることができる。

今は女性同士の意見の是非よりも、告発する勇気よりも、被害に遭った女性は具体的にどうすべきか、どんな救済機関があるのか、その広報と拡充に傾注してもらいたい。

名も無いA子さんを救ってこそ、me too だ。

「 #MeToo 」と声をあげたい人に、知っておいてほしいこと

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この記事を書いた人

石田 朋子

文芸愛好家&サブカルチャー・ファン。主に70年代~90年代の作品に思い入れがあります。寺山修司の名言『詩を作るより、田を作れ(揶揄)』をモットーに、好きな作品を次代に伝えることを目標にしています。海外在住につき、現代日本とは相容れない所がありますがご容赦ください。趣味はドライブと登山。